「大丈夫?由楽」
いつもと同じ利央の高い声を聞いて、先ほどの低い声は幻聴だったのかと疑問に思う私。
「だ、大丈夫。助けてくれてありがとう」
「いーえ、どういたしまして。それにしても、よかったわ」
「え?」
「傷つけられなくて」
利央は私を見つめたあと、花壇の花たちに視線を移した。
「そうだね。花が傷つけられなくてよかった」
「え……?」
「……私、変なこと言った?」
「ふふっ。相変わらず鈍いわね」
私の言葉を聞いて目を見開いた利央は、ふわりと微笑んだ。
なんで今、鈍いって言われたんだろう。
「水やり、手伝ってくれる?」
「うん!」
利央と花壇の水やりをしてから、私は金色のハチマキを巻いて、皆のいるグラウンドへ行った。



