だから、と疲れたように怒田が溜息を吐く。 ホームへの階段を上がって白線の内側へ並んだ。 休日の昼間は人が多い。 みんなそれぞれゴールデンウィークを楽しんでる。 「だから、なんでお前らはそうやって男と女が揃えば好きだの嫌いだのって。じゃあ聞くけど、廿楽は哀河のこと嫌いなのか?」 「好きに決まってんでしょ」 「じゃあ恋人になりたい?」 「何言ってんの?」 「俺も同じ気持ちだ。普通に好きと恋人になりたいをイコールに結び付ける奴の気が知れない」 怒田の言い分は尤もで、反論の余地がない。