「盛大に転びましたね。」 ほんの少しだけ彼女の口角は上がっていた。 郁実は かぁ〜と顔をリンゴにさせてい た。 「あっ…は、はい!すみません…」 郁実はさっとたち、あたふたしていた。 と、とっさにこんなことを聞いていた。 「あの、お名前は?」 「ようかわ みのり。明日は教えないよ」 彼女はそそくさと、 どこかへ行ってしまった。 後でクラス名簿を見たらちゃんと "洋川 実乃梨" と書いてあった。