確かに君は此処に居た

「…と、会話しただろーが」

説明した愁は明に追求する。明は「ああ、はいはい」と数回頷いた。

「くすっ、馬鹿だなあ。僕は時間を聞いたけれど、『集合する時間』なんて聞いてないよ?」
「『時間は?』って言っただろ!」
「あれは、ただその時の時間聞いただけだし~それにすぐその後、僕は帰ったじゃん」
「それ、屁理屈だっ!普通あの流れでくれば、そう意味をとるのが普通だ」
「とにかく、愁の勘違いだよ。はい、この話は終わり」

(…明くんがはめた気がするけど。でも…意外に大久保くんって律儀だなあ)

昨日、わざわざ家から
救急箱を持ってきてくれた事。
今日、自分が思っていた
待ち合わせ時刻より
1時間以上経つのに待っていた事。

今まで思い描いていた印象が少し変わった。

(…あはは…それでも目は逸らされる)

本当に女嫌いらしい。