学校への通学路のため、必然的に屋台に近づいていくと


「うわあ! 可愛い!!」


隣にいた棗が大声を上げた


「うん、ほんと」


私も同意する



屋台には、今時の女子高生が好きそうな、可愛い物や綺麗な物が所狭しと並べられていた


「ちょっと見ていこう!?」


興奮気味の友だちに半ば無理矢理ながらも


「う、うん」


屋台に立ち寄ってみることにした



屋台の上に架かる布には〝魔法屋〟と大きく書かれている


布を眺めてから、屋台の中にいた──恐らくこの屋台の持ち主であろう──人たちに目を向けた時


……思わず目を見開いて固まってしまった



穏やかな微笑を浮かべて立つ男女


その美しい容姿は、人形を通り越し神と見紛うほどだ



「いらっしゃいませ」


近寄った私たちに、人類の理想とも言える男女は声を揃える


人間、自分より遥かに綺麗な人が目の前にいると、自分と相手を比べて悲しくなるのだなぁと痛感した