・・・あらま。何か、やばい雰囲気。何でも屋ってくらいだから喧嘩も強いのよね、きっと。武術の達人とかだったらどうする?かなり危険な状況なのかも。私は彼をみながらそんなことを思っていた。
私はいつでも、危険な状態には一人で対峙してきた。
一人でいる時に襲われるからだった。
だけど、今日は───────・・・
「・・・これ以上邪魔するなら・・・」
蜘蛛男の声に、向き直った桑谷さんが鼻で笑ったのが聞こえた。彼の全身が緊張感をまとい、闘志がメラメラと立ち上るのが見えるようだった。元々背の高い彼の体が、更に大きく見える。
「どうするんだ?」
ざらりとした低い彼の声は、笑いを含んでいた。腕をだらりと下ろしたままで、夫は全神経を構えている蜘蛛男に向けている。
・・・今日は、彼がいるから。私は立ち上がってにっこりと微笑んだ。
私、そんなにピンチじゃないわ。
眠らされている二人の前に立って、私は野郎二人の決闘を観戦することにした。



