わたしは、何かの間違いだと思った。
いや、間違いであってほしいと願った。
私は女性警官に「あなた着いてきて」
と言われ
蓮を置いて、部屋の外に出された。
女性警官(推定23歳)は、新人のオーラが
ぷんぷんにじみ出ている。
この頼りない感じが、心地よかった。
そして、容疑について詳細を聞かされた。
「.........驚いたかな?ごめんね。
黒川蓮くん、辻本さんの家の金庫から
お金を盗んでしまったの。」
私は頭の中を整理する。
あーそういうことか..................
そういえば、蓮と店長、近々会うって
言ってたもんな.........
「辻本さん、黒川くんの携帯に何度も
電話かけてたみたいなんだけど、
彼、出なかったからこういう形で
家に押しかけることになったの。」
「辻本さん、黒川くんのこと可愛がってたし
今後の彼のことを思って、泣く泣く、
被害届出したみたいなんだけどね......」
そうだよな.......................
店長が蓮のことで被害届出すなんて
よっぽどやわ.....................
どうやらわたしが名古屋の実家に
帰省していた時に犯してしまったようだ。
「彼女の前ではかっこつけたがるから
強がっているけど、間違いなく事実だから
今から彼を署まで連れて行くね。」
そう言われ、私は一旦部屋に戻された。