斉藤さんは毎日のように

私に電話をかけてきてくれた。




私は蓮の家族じゃないのに..............



蓮と絵里奈は

あくまで彼氏、彼女という関係



斉藤さんはその間に入ってくれているのだ





.


「黒川 蓮くんのことで

何か聞きたいことがあれば何でも聞いてください。」



「また面会に行ってくるので伝えたいことがあれば

僕から伝えるようにしますよ。」






斉藤さんはいつも言っていた。






私への事務連絡を一方的にするだけでなく

私の話も親身になって聞いてくれた。






蓮は元気か。

ご飯は食べられているのか

ちゃんと寝られているのか など、


子どもを独り立ちさせた親が

心配して聞くようなことをいつもいつも聞いた。






決まって返事は

蓮はだいぶ落ち込んで、寝られず、

泣いている日々が続いているとのことだった。







蓮の様子を教えてくれたり、

また、わたしの個人的な悩みを聞いてくれたり、

本当に優しい人だった。





そのときの私の携帯の着信履歴は

「弁護士斉藤さん」で埋め尽くされていた。