マサキとはあれからも時々学校ですれ違う。

だけど、いつもと変わらない笑顔で私に話しかけてくれた。

私も、前よりもまっすぐマサキの顔が見れるようになった。

振られたのに、なんだか不思議。

マサキとの距離がぐっと縮んだような気がしていた。

それは私が一歩前に進んだせい?

例え振られても、それが次の一歩に繋がっていく。

そうやって、一歩一歩、歩みを進めることが今を生きることなのかもしれないって。

あゆみおばちゃんが言ってた後悔のない生き方っていうのが、少しだけわかったような気がした。



「私も勇気出して告白してみよっかな・・・。」

マドカがポツリと言った。

「え?今なんて???」

思わず大げさに聞き返す。

「だって、ユイカ、最近すごく変わったなぁって思うの。何か迷うことがあっても前へ進む方を選んでる。それにね、すごくかわいくなったような気がする!」

「本当?かわいくなったって?」

「うん、なんだかね女の子っぽくなったっていうか。ユイカって彼氏いるのかな?って気にしてる男子もいたよー。」

「まじで??誰誰それ?」

「内緒-。きっとそのうちわかるんじゃない?」

マドカは意味深な笑みを浮かべて、私の腕を突いた。

今まで誰からも好きだなんて言われたことなかった私のこと、気にしてくれる男子がいるなんて!

それだけで胸の奥がほくほくした。

「っていうかさー、マドカ告白してみようかなんて言っちゃってるけど、そろそろそのお相手の名前教えてくれてもいいんじゃない?」

どさくさに紛れてマドカに聞いてみた。

なんだかね。

前に好きな人のことでちゃかしたら泣いてたマドカだったから、ずっとその話題には触れられずにいたんだよね。