確かになにも知ろうとしてなかった。 お兄さんが病気だというのが 嘘だと知ったときも じゃあなんで病院にいたのかとか 女をつくらない理由も 体育をさぼる理由も 夏祭りのあの女のことも 知らないんじゃなくて知ろうとしてなかった。 知るのがこわかった。 「あたしはどんな梨津も好きだよ。 冷たい感じだけど本当は優しいところとか 強いふりして弱いところとか でも、今の自分から逃げてる梨津は嫌い」