「………わかった。美来が言えないならもう聞くこともしない、連れ出すこともしない。だけど、あたしは美来の味方だから」
「っ…」
「じゃああたし先に教室戻るね」
パタン、と閉まったドアは教室に私しかいないということをより感じさせる。
私は野葉菜の優しさに、思いやりに応えられなかった。
こんなんじゃ、このままじゃ、自分ではなにもできない気がして、なにかやっても無駄になる気がして。
さっきだって辛いのは自分だけじゃないってわかったはずなのに、やっぱり1番辛いのは自分な気がしてしょうがない。
いつか、想も、野葉菜だって、自分から離れていきそうで怖い。
離れていってるのは、自分からなのに。
離れて1人になってもいつも心細く感じて泣きたくなる。
結局1人じゃなにもできない。
…もう、自分がなにをやってるのか、なにをやればいいのか、どうすればいいのか。
それすらもわからなくなる。
……もう、すべて諦めてしまいたい。
