私たちは中1から付き合い始めたけど、ずっと気になるのはあの子の存在なんだ。
「あ、想君!」
そう、幼なじみ。
もちろん萌南ちゃんは、幼なじみだってわかってるし、私は想を信じてる。
「今日、ご飯食べにうちに来るんでしょ?7時にはご飯だからそれまでには来てねっ!」
けど、こんな風に私に勝ち誇ったような顔で想に話す萌南ちゃんは少し苦手だ。
「あー。今日、美来と食べようと思ってるから。親にも言ったら俺の好きにしていいって言ってたし」
「えっ…想、いいの?」
「当たり前だろ」
そう言って優しく微笑んでくれる想がいるから安心できる。
「えーっ、なんだぁ…。想君が来ると思ってすごい楽しみだったのに」
そう言って頬を膨らませる萌南ちゃんは可愛いのだけどチラッと私を睨んでくる目は少し怖い。
まるで、あなたのせいで想と一緒にいられなくなったって言われてるみたいに。
「萌南、ごめんな」
「ううんっ、全然大丈夫だよ!いつでも来てね!」
「ありがとな」
そうやって想も萌南ちゃんの頭をポンポンするのも萌南ちゃんを期待させてしまうのだろうけど。
