「あたしは、あんたが身を引いてくれれば幸せになってた。あんたとだって関わらずに済んだ、想君と幸せになれたの!」
そう言って、髪を掴まれる。
まるで、私をいじめてた、中学のときのように。
「想と幸せになれた……?いい加減なこと言わないでよ。想のことが好きだったなら想の幸せを1番に考えるんじゃないの!?」
なんで、萌南ちゃんは想の幸せを、人生を考えないのかな。
…私は、そんなこと言える立場じゃないのかな。
私のせいで死んだと、みんな思ってるんだろうか。
引っ張られてる髪の毛はあのときを思い出させるように痛いけど、想の不幸を考えたら、こんなの痛いなんて言ってられない。
「いつも、考えてたよ。あたしはあんたなんかより想を幸せにできる自信があった。」
「…そんなこと__ 」
「あるんだよ!なんなの?いつもいつも、中学のときからいい子ぶっちゃって。」
