「え⁉︎絶対、美来は陽先輩が好きで、陽先輩も美来が好きかと…」




陽先輩も私が好き…か。



本当にそうだったらいいのに……。



両思いでも私には付き合うことなんて許されないけど。



気持ちは繋がっていたらいいのにって思う私はこの時点で最低な奴だ。



…私が大好きだった人、想を裏切っているのだから。



「……そんなことありえないよ。
私には好きな人すらいないんだし!」



どんどん嘘が増えてく。



でも、これは想のための嘘。


ううん。


自分は陽先輩を好きだと言っちゃいけないからっていう、自分を守る方法。


私は本当にずるい奴だ。




「そーなの?まあ、好きな人できたら教えてよね!」



「…うん」



本当は陽先輩が好きだよ。


言わないって決めてるのに私の中での陽先輩の存在はもう大きすぎて言いそうになってしまう。