「なんかあったんでしょ?」



…羽湖ちゃん。目がキラキラしてるよ。


なんかあったといえばあったけど、




「ううん、特に何もないよ?」



…なんか、これは私の中だけの秘密にしたいんだ。




「えー、そーなの?あんなにかっこよく美来を助けるから絶対何かあると思ったのに」



「かっこよく⁉︎」



「そうだよ?美来がチャラ男に絡まれてるとこを見つけて助けに行こうとしたらすごい速さで走ってく人がいて、それが陽先輩だったの」




…嘘。



そんなに一生懸命になって助けに来てくれたの?



そういえば、あの時の陽先輩少しだけ汗かいてた。



そんなかっこいいことされたらもっと好きになっちゃうじゃんか……。



私はこれ以上好きになるなんてダメなことなのに。




「美来はいいなぁ…。あんな素敵な人がいて!」



「え?素敵な人って…。
あの人は私の好きな人じゃないよ?」




『陽先輩が好き』なんて言うことできない。