「じゃあ美来の今日のこれからの時間は俺がもらっていいってこと?」
「えっ。」
引いてないの?
というか、そんなこと言われたらさらに陽先輩といたいと思っちゃうよ…。
「俺と一緒にいていいんでしょ?
ダメって言われてもいるけどさ。」
「え、あ、全然!ダメ……じゃないです。」
さっきから陽先輩の一言一言が私をドキドキさせる。
「じゃあ美来、行こっか。」
ほら、こうやって何気なく名前を呼んでくれるところも、はぐれたら危ないからと言って私の手を自然と握ってくれるとこも。
そんな陽先輩の手は私よりずっと大きくて、あたたかい。
この人は私を安心させてくれる、落ち着かせてくれる、私の頼れる場所となってくれる。
なんでこんなに優しくてあたたかい人なんだろう。
でも手を繋ぐのとか自然にできるってやっぱり女の子に慣れてるのかな…?
まあ、陽先輩はかっこいいからモテて当たり前なんだろうけど。
なんだか、そう思うと胸がいたい。
