「何時からだっけ?」
「2時から。今は12時だから……あと2時間くらいあるのか」
「そっか。そういえば、佑斗は何するの?」
聞きそびれていたことを聞くと、
「ああ、それはーー、と。その前に、場所変えないか?」
佑斗が周りを見ながらそう言う。
確かに、佑斗達が来てからはさらに痛くなった視線の数々。
居心地が悪いのは事実だ。
……でも、
「それは構わないけれど……。そもそも何でこんなに見られているの?」
蘭が私が思ったことと同じことを聞いてくれた。
佑斗と大樹君が顔を見合わせて、言おうか言わないか無言で会話した末に、大樹君が、
「……ああ。それは多分、俺達が蘭達といる事もあるし、蘭達が目立っていたのもあるけど、」
「けど?」
蘭が続きを促すと、大樹君は翔ちゃんをちらっと見た後、
「1番の原因は、翔が女子と話していることと、香琳ちゃんの『翔ちゃん』呼びだな」
……え?
佑斗達の話までは分かったけれど……、1番の原因は翔ちゃん?
思わず翔ちゃんを見るけれど、肝心の翔ちゃんは顔を背けていていまいち表情が分からない。
確かに翔ちゃんは、どっちかっていうとクール系の顔つきだから、『ちゃん』付けは珍しいのかもしてない。
でも、女子と会話することが注目を集めるって……
「そんなに翔ちゃんって、女の子と会話しないの?」
大樹君に聞いてみると、
「うん、しないね。話しかけられても相づちくらいしか打たないよ」
「でもそれ、小学校時代からよ?香琳、知らなかったの?私でも知っているくらい、有名な話だったのに」
「ええ⁉︎確かにそんな姿はあんまり…っていうかほとんど見たことないけれど!でも、そこまでだとは……っ」
びっくりした勢いのまま、翔ちゃんの制服を掴んで、
「本当?翔ちゃん」
そう聞いてみると、
「………嘘……では、ない」
何とも微妙なの顔をした翔ちゃんからの、微妙な回答が返ってきた。

