ーーー少し冷たさを含み始めた風に、何となく肌寒さを感じながら、蘭と帰り道を歩く。
「蘭。さっきどうして、大樹君に笑った理由を教えてあげなかったの?」
疑問に思っていたことを尋ねると、
「んー?だって、私達にバレるのが嫌で黙っていたんでしょう?」
「まあ、そうだね」
「それなら、そう思っていたことがバレるのも嫌かな、って思ったから」
そう言った彼女に、確かに、と納得する。
「それに、それでその後のバンドの練習に影響があって、失敗するのも可哀想だし。……私も、どうせなら格好良い姿が見たいもん」
照れたように笑いながら言った蘭に、私も自然と笑みが浮かぶ。

