件名:大好きな君へ






――家に帰り、お風呂に上がると、あることに気づいた。


私、千にありがとうって言ってなくない?


心の中では思ったけど、小佐田先輩はいつの間にか消えてたし、家はもう目と鼻の先だったし、私が泣き止んだら千は帰っちゃったし。


……やっぱり、言えてない。



どうしよう!


あ、そうだ。メール送ろう。そして、明日学校でもう一回直接お礼を言おう。


私は早速携帯を操作し始める。



《今日はありがとう!》



素っ気ないかな?


うーん、でも、他に何を……?


10分悩んだ私は、たった一文のメールを千に送った。



「初メール、なんだよねコレ」



送信ボタンを押した後で、ちょっと後悔する。


もうちょっと可愛げのあるメールにすればよかった。絵文字とか使ってさー。失敗だったかも。