件名:大好きな君へ




人を殴る鈍い音がした後、ストーカーは圧倒されたように尻餅をついた。


私はゆっくりと震えている足を動かし、千のやや後ろまで行き、ストーカーに近づいた。



「いった……」


「え!?」


「どうして……」



ストーカーの姿が明らかになり、私と千は目を丸くした。



「どうして、部長が……」



千は、私をストーカーしていた犯人――小佐田先輩を見て驚きを隠せない様子だった。


千に殴られた左頬を痛そうにさすっている小佐田先輩。


私は現状に頭がついていかず、恐怖と驚きの間で硬直していた。



「小佐田先輩が、私のあとをつけていたんですか?」



え?どうして?


そんなことするような人じゃないって、いい人だって、思ってたのに。


今までの“小佐田先輩”の面影が、ボロボロと崩れていく。