ダメだなぁ、私って。
もっと危機感を持っていなくちゃ。もっと自分の身の安全を考えなくちゃ。
昨日感じた恐怖が蘇る。
今日は逃げるんじゃなく、ストーカーを捕まえるんだ!
「金井」
「っ!」
昨日と同じ声だ。
唇がこ刻めに震えて、足の力が抜ける。
ダメだ。怖くて動けない。立っているのがやっとだ。
「金井」
――コツ、コツ。
私の名前を言いながら離れていく足音。
千がいるから、今日は帰ろうとしているのだろうか。
「待てよ」
しかし、千はその場から去ろうとするストーカーを逃がさなかった。
声がした方へと走っていった千は、ストーカーに追いつくと、正体を確認せずにストーカーの顔を殴った。



