「わ、私は一人っ子なんだけど、千は?」
学校を離れてから一度も口を開かない千との間に流れる沈黙を、私はどうでもいい質問をしてぶった切る。
朝はあんなに今日は最悪だと暗くなっていたのに、今は、千といられて最高だって思ってる。
私って、単純だなぁ。
「姉が一人いる」
「ふ、ふーん。そうなんだ」
会話終了。
ど、どど、どうしよう。他に話題は……!?
……沈黙が苦しいわけじゃない。
ただ、さっきからうるさく高鳴っているドキドキが、千に聞こえていないか心配なだけ。
ストーカーのことを忘れそうになるくらい、千と一緒にいられて嬉しくて仕方ない。
ずっと、この時間が続けばいいのに。
ずっとこのまま、千のそばにいられたら……。



