件名:大好きな君へ




最後まで話し終えて、一番最初に口を開いたのは矢崎だった。



「それって、噂の不審者じゃね?」


「でも、確か捕まったって、朝のHRでフユちゃん言ってなかった?」


「いつ捕まったんだろう」



矢崎の言葉にそう言い返した芹沢。


桜の疑問に、誰も答えられなかった。


私をつけていたのが噂の不審者なら、安心できるけど……。



「ストーカーって、ここの生徒の誰かじゃねぇの?」



流れていた沈黙を破った千は、胸にちらついた安心感を壊した。


私が「なんで?」と尋ねると、



「ストーカーもローファー履いてたんだろ?」


「あ、そっか」



そう答えた千に、瑛美が納得したように呟いた。



この中学の厳しい校則の一つが、靴は指定されたローファーを履くこと。


ストーカーもローファーを履いているなら、ここの生徒が一番怪しいということになる。