芹沢、パン5つも食べたんだ……。すごすぎ。
大食いなのかな?さすが、成長期の男の子。胃袋が宇宙レベルだ。
「金井、橘」
すると、誰かに名前を呼ばれた。
声のした、矢崎の後ろの方へと目を向ける。
「今日の放課後、部活なしだってさ」
そう報告してくれたのは、無愛想な矢畑 千【ヤハタ セン】。
整った顔立ちをしているが、滅多に笑顔を見せない。そのクールさに虜になっている女子が多く、よく告白されている。いわば、モテ男。
私と瑛美は、芹沢と矢畑が所属しているバスケ部のマネージャーだ。
まあ、私は瑛美のおまけみたいなもので。
去年一人じゃ不安そうにしていた瑛美に『一緒にやろう!?』と誘われて仕方なく入った。
最初はマネージャーの仕事の多さと忙しさに、マネージャーになったことを後悔していた。だが、今ではすっかり慣れ、楽しさややりがいを感じるようになった。
瑛美も、芹沢にいいところを見せようと毎日頑張っている。
ちなみに、桜は美術部、矢崎はサッカー部だ。



