えっ?み、見られてたの!?
恥ずかしさに思考が一時停止する。
あ、もしかして、千と別れた後に聞こえた『金井』と呼ぶ声は、芹沢のだったの……?
「コンビニ寄った帰りに見たらしいよ」
「へ、へえ……」
「一体どういうこと!?」
コンビニって、学校近くにあるところのかな?
そうだったら、私を呼んだのは芹沢じゃないってことになる。
というか、そもそもあの声って、私の空耳だって解決したはずなのに。
どうしてこんなにも気になるんだろう。
「ねぇ、聞いてんの!?」
「き、聞いてます聞いてます!」
すみません、聞いてませんでした。
脳内で正直に謝るけど、もちろん瑛美には聞こえていない。
何かを期待するような瑛美の表情に、私は笑うしかできなかった。