「あのさ、瑛美。今更なんだけど」
「んー?」
デートだと思われなかったことがそんなにムカついたのか、緩んでいたはずの口が思いっきり尖っていた。
眉間に眉を寄せ、いかにも機嫌が悪そう。
嬉しそうにしていた様子は、どこにも残っていない。
恋する乙女は大変だなぁ。
「どうして芹沢のことを好きになったの?」
瑛美がバスケ部のマネージャーになりたがった理由は、芹沢に近づくため。
つまり、入学したての頃にはもう恋をしていたということ。
でも、芹沢とは小学校が違う。接点はなかったはずなのに、いつ芹沢を好きになったのか、ずっと気になっていた。
「話してなかったっけ?」
瑛美の表情が、また変わった。
くすぐったそうな、照れているような、そんな落ち着かない表情になった。
「入学式の日に内履きを忘れちゃって困ってたところを、芹沢が助けてくれたの」



