件名:大好きな君へ





おまじないか……。

瑛美が好きそうな話だなぁ。


私の予想通り、瑛美は「どんなおまじないなの!?」と早く知りたそうに鼻息を荒くしていた。



「美術部の先輩に聞いたんだけど、好きな人と連絡先を交換するんだって」



それだけかと思いきや、桜は続けて話す。



「それでね、好きな人の下の名前をカタカナで登録するの」



自分も相手も携帯を持っている場合のみ可能なおまじない。


中学生の私たちでは、そのおまじないができる人は少ないかもしれない。



ちなみに、私と瑛美は携帯を持っている。


私は、マネージャーになって帰りが遅くなったことを親が心配して買ってもらったんだ。




「芹沢くんって、携帯持ってる?」


「た、確か、前に持ってるって言ってたような……」



桜が問いかければ、瑛美は曖昧に答えた。


それならおまじないできるじゃん!



「瑛美、おまじないやってみれば?」



私は瑛美の背中を押す。