朝練が終わり、朝のHRの後。
授業が始まった。一時間目は理科だ。
再来週に定期テストが行われる。その範囲がまだ終わっていないこともあり、今日の授業はいつもより大分進むスピードが速い。
「化学変化の前後で質量は……」
「うわあああっ!?」
バスケ部顧問であり理科担当の沼ノ上【ヌマノウエ】先生、通称・ヌマセンの説明を、いきなり遮断した絶叫。
その声の持ち主である芹沢は、なぜか驚いた形相で立ち上がった。
ど、どうしたんだろう。
クラスメイト全員が目を点にして、芹沢に注視している。
「……どうした、芹沢。何か質問か?」
「あれ?ライオンは?」
「はあ?」
虚ろな眼で周りを見渡す芹沢の頭を、ヌマセンは勢いよく叩いた。大きく咳払いをすると、何事もなかったかのように授業を再開させる。
どうやら居眠りをしていたらしい芹沢に、クラス中大笑い。



