「でもさ、桃葉と矢畑くんってお似合いだと思うんだよね」
「それを言うなら、瑛美と芹沢の方がお似合いだよ?」
「や、やめてよ……!」
私と矢畑をくっつけたがっている瑛美をからかってみたら、瑛美の顔がだんだんと真っ赤になっていく。赤みが最高潮に達し、ついに背けられてしまった。
自分で自分の恋の話をするのは平気だけど、周りからされると弱くなっちゃうらしい。
ふふっ、可愛いな。
コツン。
ふと足元にボールが当たった。
どうやら、シュート練習をしていた誰かのボールが転がってきたみたいだ。
私はそのボールを取って、駆け寄ってきた“誰か”へと視線を移す。
「あ」
つい、声を出してしまった。
でも、その声は小さすぎて、相手には聞かれていなかった。



