私が通っている東中学は、校則が厳しくて有名だ。



スカートは膝より下じゃないと注意されるし、前髪は目にかかるくらい長かったらダメ。シュシュや派手なヘアピンなども含め、アクセサリーは全て禁止されている。もちろんメイクもアウト。



しかも、最近SNSでのいじめや事件が多発しているからと、LINEやTwitterも禁止。


先生たちが行っているネットパトロールで、SNSを使用している生徒が見つかったら、即刻罰せられる。



それくらい厳しくて、私たち生徒はうんざりしている。



だけど、そんな窮屈な学校でも笑っていられるのは、きっと―――。






「二人とも、聞いてよ!」



昼休みの教室。

私・金井 桃葉【カナイ モモハ】は、机を三つくっつけて、友達と昼食を食べていた。


お弁当のおかずの一つのだし巻き卵を食べようとした時、小学校からの付き合いの橘 瑛美【タチバナ エミ】が、机をドンッと叩いた。



「どうしたの?」



両頬を膨らませている瑛美にそう尋ねたのは、中学に入ってからできた友達の三吉 桜【ミヨシ サクラ】。

ふんわりとした茶髪のボブがよく似合っている。



おっとりしていて可愛い桜に癒されながら、不機嫌な瑛美に視線を向けた。