瑛美の第一声で冴えたみたいで、さっきまで感じていたモヤモヤやドキドキが姿を消しちゃった。
いつもとは違う、不安定な違和感がなくなってスッキリする。
やっぱり、矢畑のシュートが決まったことへの感動だったのかな。
それから、私と瑛美は協力してマネージャーの仕事をした。
体育館のモップがけや、練習用具の準備。
朝練は時間が短いため、あまり忙しくはないんだけど。
7時30分近くになると、続々と部員が体育館に集まってくる。
バスケ部以外にも、体育館で朝練をする部活がある。
そのせいか、矢畑と二人きりでいた時の静けさはなくなった。
「ねぇ、桃葉」
「何?」
ウォーミングアップを終えたら、次はドリブル練習。
私たちマネージャーは、時間をこまめにチェックする。ドリブル練習終了時刻となったことを確認してから、それを知らせるために笛を吹く。
部員たちは、その笛の音を合図に、次の練習に取り掛かった。