件名:大好きな君へ




メールを開かなくても伝わるように、件名に書いた。


メールを送信して、また走り出す。



もしかしたら千は、私のメールなんて無視するかもしれない。


そしたら、もう、叫びながら走り続けるしかない。



「千!」



届け、届け。


この声が枯れるまで叫ぶから、どうか届いて。


おまじないの効果が嘘でもいいから、この先の幸せを使い果たしてもいいから、今だけは奇跡を起こしたい。



「せ、ん」



視界には、千が足を止めて携帯をポケットから取り出す姿が。


私のメールが届いたんだ。


私は立ち止まり、空気を吸い込む。




「せーーーん!!」




私の大声が空高く上っていく。


瞬間――千がゆっくりと振り返って、私の姿を捉えた。


気づいたら、私は全速力で千の元まで走っていた。