私の答えを聞いた小佐田先輩は、
「ありがとう」
と言って、切なそうな笑みを見せた。
私は千に告白して振られたら、笑えるだろうか。
多分、笑えたとしても、すぐに崩れちゃうんだろうな。
「次は、金井の番だな」
「はい」
「引き止めて悪かったな。じゃあ、またな」
小佐田先輩はそう言って、私が「さようなら」と言う前に、私の前から姿を消した。
……さあ、行こう。
下駄箱で靴を履き替え、校舎を出る。
髪をさらうように吹いた風は生暖かった。
「千……!」
校門を曲がり、遠くに見える千を呼び止めるように、千の名前を叫ぶ。



