マネージャーの務めを終え、私は帰る支度をする。
「頑張ってね、桃葉!」
「応援してるよ」
「ありがと、瑛美、桜。じゃあ、行ってきます!」
私は瑛美と桜に手を振って、体育館をあとにした。
千、もう帰っちゃった……よね?
千の家ってどこら辺にあるんだろう。
走って間に合えばいいけど。
生徒玄関に行くと、私達のクラスの下駄箱の前にはなぜか小佐田先輩がいた。
「お、小佐田先輩……」
「お疲れ、金井。テーピングサンキューな」
「い、いえ……」
まさか、こんなところでこんなタイミングで、小佐田先輩に会うなんて想像していなかった。
警戒しながら、一歩ずつゆっくりと近づいていく。



