悩んだ時間も、片思いの日々も、過ぎ去ってしまえばどれも思い出となっている。



恋に恋して、「好き」って気持ちに憧れていた自分が、今の私を見たらどう思うのかな。


羨ましがられるのかな。



きっと、一人だったらとっくに諦めていた。


千のことは大好きだけど、その想いを胸の奥の奥のさらに奥にしまいこんでいた。


でも、今こうして告白しようと思えるのは、一人じゃなかったから。



嫌な思いをした時は慰めてくれて、落ち込んで迷っていた時は支えてくれて、逃げていた時は導いてくれた友達がいたから。


いつもクールなくせに時々優しくなって、私のことが嫌いなくせに守ってくれる好きな人がいたから。



だから私は、一歩前へ踏み出せる。



恋にはいろんな形がある。


儚い恋心も、強がりな恋心も。


私の恋は、ちょっと弱虫で臆病だった。



そんな私の心にも、ひらりひらりと、勇気という名の結晶が降ってくる。


募り募った「好き」と共に。