あんなに綺麗に決まった3ポイントシュートは初めて見た。
すごいとしか言えない、ボキャブラリーの無さが情けない。
「……すごくねぇよ。たった一回決まっただけだ」
「それでもすごいよ!!」
いつの間にか矢畑の目の前で、しかもやや前のめりになって喝采を上げていた。
ハッとして、ようやくテンションが上がりすぎていたことを自覚した私は、ゆっくり二歩遠ざかった。
「あ、えっと、おはよう」
「はよ」
今更ながらの挨拶に、苦笑いしちゃう。
「いつもこんな早くから練習してるの?」
「あぁ」
「何時から?」
「6時半過ぎくらい」
そんなに前から練習してたの!?
だから、汗びっしょりなんだ……。



