先程まで練習試合が行われていた体育館には、熱がこもっていた。


頬が赤いのは、告白に緊張しているせいじゃなく、その熱のせいだ。


ミーティングを終えた部員達は、帰る支度をしている。



「桃葉」


「え、瑛美。あ、スコア記録は?」


「ヌマセンに渡してきた。ついでに日誌も」



モップがけをし終えた私に、瑛美はそう報告した。



「桃葉、行かなくていいの?」



一緒にモップがけをしていた桜が、首を傾げて聞いてきた。


告白のことかな。


瑛美も同じことを思っていたようで、「そうだよ!行かないの?」と問いかける。



「でも、まだ仕事が……」


「そんなの、あたし達がやるよ!」


「ううん、ちゃんとやるよ」