ゴールを射抜くような目をした千が、ボールをゴールへ投げた。
入れ、入れ……!
緊迫した空気の中、ボールを目で追う。
なぜかスローモーションのように見えたボールは回転しながら、高いアーチを描く。
そのまま静かに、シュートが決まった。
同時に、試合終了の笛が鳴る。
結果……私達が69点、西中学が68点。
最後の最後で逆転したんだ。勝ったんだ。
「すごいね、桃葉!桜!」
「うん!すごかったね」
「皆、かっこよかったね」
この試合に興奮した私と瑛美と桜は、「すごい」「かっこいい」を繰り返し言っていた。
いつも朝練が始まる前に、千は3ポイントシュートの練習をしていた。
その努力が、結果となって現れた。
そして今、この場にいた全員の記憶に残る。
かっこよかったよ、千。