どうして芹沢が、そんなに怒ってるの……?
芹沢は千の胸ぐらに掴みかかる。
「それが、守ることになんのかよ。アホか!こんなことして守った気になってんじゃねぇよ!」
「……碧には、関係ねぇだろ」
「関係ある!」
恋が怖いって、傷つきたくないって。
今でもそう思ってる私は、逃げてばかりだったから、何にも気づいていなかった。
自分の想いばかり気にして、誰かの想いなんて一ミリもわからなかった。
瑛美も、芹沢も。
恋にぶつかって、私に教えてくれる。
「俺も、お前と同じだから」
「み、どり……?」
二人とも、苦しさをぶち壊しながら、誰かを傷つけることにためらいながら、
思考が追いつかないまま声を出して立ち向かう姿を、私に見せてくれるんだ。