もう千は、私の顔も見たくないはず。
こうして直接言ってきたのは、自分で関係を断ち切りたいから?
……嫌だなぁ。
私、マネージャー辞めたくないなぁ。
部員を、頑張ってる人を、――千を、サポートしていきたい。
でも、この思いは消さないと、だよね?
だって、一番嫌なのは、千にそんな表情をさせることだもん。
ごめんね、千。
苦しそうな表情させて、ごめん。
きっと、私のせいでそんな表情させてるんでしょ……?
瑛美みたいな勇気が、もしも私の中にもあるなら。
今、自分の気持ちとは裏腹の言葉を笑顔で言える勇気を出そう。
そんなことに勇気を振り絞ったって瑛美が知ったら、また怒鳴られちゃうんだろうな。
「そっか、うん、わか……」
「千、てめぇ!!!」
頷きかけたその時、芹沢の大声が用具室全体を揺らした。