何か、いい方法は………。
グルグルと悩んでいると、ふとある考えが浮かんだ。
その考えは、ただ部長があいつに接近する回数を減らす程度しかできないかもしれない。
それに、その考えを実行したら。
どんな言葉を選んでも、きっと桃葉を傷つけるだろう。
――だとしても。
俺はあいつを、守りたい。
放課後になり、部活が始まる。
まずはウォーミングアップ。
その後は、階段ダッシュをすることになっている。
「雨降ってきたな」
「……傘持ってきてねぇよ」
先輩達の会話がうっすらと聞こえてきた。
外では雨がザーザーと降りしきっていて、体育館の中は心なしかじめじめとしていた。



