もし、また金井が怖い思いをしたら……。
そう考えただけで、気分が悪くなる。
「千、ちゃんと金井のこと守ってやれよ」
「……どうして、俺が」
要が俺の肩をポンと軽く叩いてそんなことを言ってきて、俺は目を見開いた。
口角を上げる要の隣で、碧は切なげな表情をしていた。
もしかして、要は俺の気持ちに気づいているのかもしれない。
まあ、前に金井を送る役を立候補した時とか、俺わかりやすかったもんな。
でも、守るってどうやってだよ。
告白を阻止する方法なんて見当たらねぇし。
部活中に部長が桃葉に近づいても、タオルやドリンクを渡すところかもしれねぇし、近づいてることに気づくかもわかんねぇ。
今までは、あいつが怖がっている時にしか助けられなかった。
あいつに怖い思いをさせる前に、助けたかったけど。
俺はいつも、守りきれていない。



