図書室に入り、早速調べ始める。
わかったことをメモする。
……これで、いいかな。
数冊読んでそう思ったところで、本を片付ける。
理科関係の本で埋まった本棚のすぐ隣は、物語のエリア。
フィクションやノンフィクション、恋愛小説からホラー小説まで、たくさん並んでいる。
興味本位で、並んでいる小説を一冊ずつ視線でなぞっていく。
「何だろう、これ」
その中で、一冊気になった本があった。
「『この恋、賞味期限切れ』……?」
タイトルを声に出して読む。
その本をパラパラとめくり、あるページで手を止めた。
『恋が甘いなんて、誰が決めたの?
私の恋は、おかしいの?
賞味期限が切れているのかな。
私の恋は、まったく甘くなんてなくて、切ないほど苦いの。
賞味期限が切れてしまった私の恋は、きっとこれからも甘くない。
それならいっそ、忘れてしまいたい。
だけど、忘れるなんてできない。
だってこれは、私の初めての恋だから。』