今、私は奇跡を確かに見た。 すごいな。 好きな人が恋人になることって、すごい。 「おめでとう、瑛美」 私は、拍手の音よりも小さく呟く。 よかったね。 嬉しそうな瑛美を見ていたら、こっちまで嬉しくなる。 ……いいなあ。 チラッと千を見つめる。 私にも、あんな奇跡が起こって欲しい。 神様にお願いをしたら、叶えてくれるのかな。 瑛美にはおまじないの効果があったのかもしれない。 私には、逆効果だったけど。 ――私は千を見ていて気づかなかった。 芹沢が苦しげな眼差しで私を見ていたことに。