件名:大好きな君へ




シン……と静まり返る教室。


私の席から見える瑛美の耳は、私の腫れ上がった目と同じくらい赤く染まっていた。



「橘さん?」



黙っている瑛美に、フユちゃんはどうしたらいいかわからない様子であたふたしている。



「せ、芹沢!!!」



ついに声を出した瑛美の第一声に、クラスメイトはざわついた。


芹沢は、「え、俺?」と目を見開いて、瑛美を見ている。



「何?」



キョトンとした顔で首を傾げる芹沢。


瑛美の耳が、さらに赤くなる。


その時、瑛美が『見てて』と言った理由がわかった。



もしかして、瑛美は……。


心臓が、うるさいくらいドキドキしていた。


瑛美の心臓は、きっともっとうるさいだろう。