瑛美は振り返ると、
「桃葉、見てて」
と、凛々しい顔つきで言った。
瑛美……?
いつもと雰囲気が違った。
まるで、何かを決意したような、そんな感じだった。
見ててって言ってたけど、何を?
よくわからないまま自分の席に着くと、朝のHRが始まった。
「皆さん、おはようございます。えー、今日は……」
――ダンッ!!
フユちゃんの美声を遮ったのは、机を勢いよく叩く音だった。
その音に誰もが驚き、音がした方に皆の視線が集まる。
「ど、どうかしましたか?橘さん」
机を叩いたのは、瑛美だった。
椅子から立ち上がった瑛美の目の先には、芹沢がいた。



