件名:大好きな君へ





もうこうなったら開き直ってやる!


好きな人がいないからなんだっていうのさ。


今は恋愛してなくても、これから誰かを好きになる可能性はあるんだからねっ!




冷笑を浮かべる瑛美を視界の隅へ追いやろうと、視線をガラスの壁の向こう側へ移す。


――ちょうどそこには、カフェの前を通り過ぎようとしていた、あの三人がいた。



何かを話している矢崎と、おかしそうに笑ってる芹沢。


それから、そんな二人を横目に、大人びた雰囲気を放ちながら歩いている矢畑。



一人一人がかっこいいけど、三人揃うとさらに存在感がある。


不覚にも、見とれてしまった。



瑛美と桜も、私の視線の先に気づいて、どんどん離れていく三人の背中をなぞる。



「なんかさ、遠いんだよね」



耳にぎりぎり届いた、瑛美の小さな小さな呟き。


……遠い?



「今ここから出て走れば、すぐに追いつけるよ?」


「そういう意味じゃなくて!」



私が首を傾げると、大袈裟にため息を吐かれた。