完全に、八つ当たりだ。
叫びにも似た言い方をしてしまった。
我に返ったのは、その言葉を吐き出した後だった。
――ガラッ、と教室の前の扉が開いて、そこから千と芹沢と矢崎が入って来た。
「いやー、遅刻ぎりぎりだった」
「要、朝苦手すぎ。俺らなんか、朝からクタクタだよ」
「それは、碧だけだろ。俺はまだ余裕」
三人の会話と同時に、キーンコーンカーンコーン、と朝のHRのチャイムが鳴り響く。
すると、フユちゃんが教室に来てしまい、クラスメイトは席に着き始める。
「……桃葉」
「な、何?」
背を向けた瑛美が、私の名前を口にした。
「勇気なんて、恋してたら嫌でも生まれるんだよ」



