「桃葉おは……って、目どうしたの!?」



朝練終わり、教室に行くと桜が瑛美と全く同じ反応をした。


思わず苦笑する私。



「ちょっとね、昨日映画で泣いちゃって」



目を泳がせながら、瑛美に言った嘘を桜にも告げる。


けれど、桜は私の一瞬の目の動きを見逃さなかった。



「嘘でしょ」


「……え」


「えっ、嘘なの?」



桜の鋭い観察眼に、驚いた。


桜の言葉に、瑛美の目がつり上がる。



……どうしよう。


早くも嘘がバレちゃった。


焦った私は、数秒間固まった後、観念したように息を吐いた。