恋をしてしまった時点で、手遅れだった。
今更、本気で避けられるはずも関わりたくない気持ちが生まれることもなかった。
自分の気持ちに嘘をついて、欺いて、文句を言いたい衝動を抑えて。
「バカだな、俺……」
あいつに《大嫌い》と言われても、もうクラスメイトとしても他人としても見れるわけねぇよ。
どうしたらいいのかさえわからなくなるくらい、好きなんだから。
せめて、メールでは前と変わらない“仲のいい友人”としていたい。
そんな願望を抑え込んだ。あわよくば消えてしまえと本気で思った。
……俺のわがまま、だよな。
ふと、日曜日にあるバスケ部二年のボウリング大会を思い出した。
そういえば、桃葉は参加しねぇって言ってたな。
それは、俺が参加するから?
多分、そうなんだろうな。
……結構、きついかも。
心臓が締め付けられる。
「痛ぇ……」